雪の楽しさを知っているが怖さも知っている、それが雪国育ちというものだ。
冬の間、周りにはいつも死の影が宿している。どこそこの集落では、子供が屋根から落ちてきた雪に埋まって死んだとか、あるいは母子で雪崩にあい飯豊川に流されて後に下の堰堤で見つかったとか・・・、大人の話の端々にそれは聞こえては来るが、何か自分とは関係のない遠い所の事のように聞いていた。
雪に限らず自然の真っ只中に暮らす子供達は、山や川と友達でいなければならない。そうでないと命に関わるからだ。少年はそのまま自然であった。
●雪崩は大いなる冬の脅威であった。
撮影:松岡 勇さん
昭和30年代、日曹飯豊集落にて
昭和30年代、日曹飯豊集落にて